1974年(昭和49年)の夏。 梅雨が明け、じりじりとした太陽が照りつける中、日本列島は異様な熱気に包まれていました。
しらちごブログ「殺人事件ファイル」、今回は1974年の第3四半期(7月~9月)を振り返ります。
この時期は、日本の犯罪史の転換点とも言える季節です。 近隣トラブルが凄惨な殺人に発展した**「ピアノ殺人」。 そして、政治的テロが一般市民を大量に巻き込んだ「三菱重工爆破」**。
個人的な怨恨と、組織的な殺戮。 二つの対極的な狂気が、この年の夏を赤く染め上げました。
1974年7月~9月 凶悪事件簿
1. 松戸・女子社員殺人事件
- 発生日: 7月5日
- 場所: 千葉県松戸市
- 概要: 松戸市の独身寮で、19歳の女性会社員が何者かに殺害された事件。 被害者は乱暴された形跡があり、首を絞められて殺害されていました。警察は周辺の不審人物を捜査しましたが、決定的な証拠が出ず、犯人特定に至らないまま時効を迎えました。 夏の始まりに起きた、悲しき未解決事件です。 【未解決】
2. 埼玉・蓮馨寺(れんけいじ)放火殺人事件
- 発生日: 8月5日
- 場所: 埼玉県川越市
- 概要: 川越市の古刹・蓮馨寺の境内で、生活困窮者向けの宿泊施設が放火され、逃げ遅れた宿泊者3名が焼死した事件。 犯人の男は、以前この施設に宿泊を断られたことを逆恨みし、ガソリンを撒いて火をつけました。社会の底辺で蠢く不満が、弱者を巻き込む形で爆発した事件と言えます。 【残酷】
3. 徳島・自衛官変死事件(阿波丸事件の前兆)
- 発生日: 8月16日
- 場所: 徳島県小松島港
- 概要: フェリー乗り場の岸壁で、海上自衛隊の二等海曹が遺体で発見された事件。 当初は自殺や事故と思われましたが、背後に別件の殺人(保険金殺人)が絡んでいる疑いが浮上。複雑に入り組んだ人間関係と、自衛隊という組織の壁が捜査を難航させました。 【ミステリー】
4. ピアノ騒音殺人事件
- 発生日: 8月28日
- 場所: 神奈川県平塚市
- 概要: 県営団地に住む男が、階下の部屋のピアノの音がうるさいと激昂し、母子3人(母親と8歳・4歳の姉妹)を刺殺した事件。 犯行後、男は「ピアノの音が聞こえなくなってせいせいした」と供述。都市部の団地生活における「騒音問題」が、これほど凄惨な殺人に発展したことに社会は凍りつきました。 被害者が幼い子供であったこと、犯行の身勝手さから、日本中に衝撃を与えた事件です。 【残酷】【社会問題】 ※特集記事候補
5. 三菱重工爆破事件
- 発生日: 8月30日
- 場所: 東京都千代田区(丸の内)
- 概要: ピアノ殺人からわずか2日後。東京・丸の内の三菱重工業本社ビル玄関前に仕掛けられた時限爆弾が爆発。 昼休みのサラリーマンやOLら8人が死亡、376人が重軽傷を負う大惨事となりました。 犯行声明を出したのは「東アジア反日武装戦線『狼』」。無差別テロの恐ろしさを日本人が初めて肌で感じた瞬間であり、戦後最悪の企業テロ事件です。 【テロ】【残酷】 ※特集記事候補
6. 江東区・警察官刺殺事件
- 発生日: 9月3日
- 場所: 東京都江東区
- 概要: 警視庁の巡査がパトロール中、不審な男に職務質問をしたところ、隠し持っていた包丁で胸を刺され死亡した事件。 犯人は逃走しましたが、後に逮捕。1974年は警察官が襲撃される事件が多発しており、治安を守る警察官さえも安全ではないという、当時の殺伐とした空気を象徴しています。
7. 茨城・女子高生殺害事件
- 発生日: 9月
- 場所: 茨城県
- 概要: 登校途中の女子高校生が行方不明となり、後に山林で遺体となって発見された事件。性犯罪を目的とした犯行と見られましたが、捜査は難航。 地方都市の静かな通学路に潜む危険性が浮き彫りになりました。
まとめ
1974年の夏は、**「騒音という日常のストレス」と「爆弾という非日常のテロ」**が交錯した、狂気の季節でした。
特に8月末の3日間(28日~30日)は、ピアノ殺人と三菱重工爆破という歴史に残る大事件が連発し、当時の人々は「日本はどうなってしまうのか」という底知れぬ不安を感じたと言われています。
当ブログでは、この夏を象徴する「ピアノ騒音殺人事件」と「三菱重工爆破事件」について、それぞれ個別の特集記事で深掘りしていく予定です。
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