こんにちは、しらちごです。 今回は、1892年のアメリカ合衆国で発生した事件を取り上げます。
19世紀も終わりが近づいたこの年、マサチューセッツ州の静かな町で、アメリカ犯罪史上最も有名で、最も謎に満ちた「親殺し」が発生しました。 童謡にも歌われ、映画や小説の題材になり続けるその事件を中心に、女性による情念の犯罪が際立った一年です。
1892年 米国凶悪殺人事件ファイル
1. リジー・ボーデン事件(フォールリバーの惨劇)
- 発生日: 1892年8月4日
- 場所: マサチューセッツ州フォールリバー
- 概要: 銀行家のアンドリュー・ボーデンとその後妻アビーが、自宅内で何者かに斧(手斧)で頭部を何度も叩き割られて惨殺された事件。 容疑者は、実の娘であるリジー・ボーデン(当時32歳)。 継母のアビーは19回、父アンドリューは11回(童謡では40回・41回と誇張されている)も顔面を破壊されていました。 状況証拠はリジーの犯行を強く示唆していましたが(犯行後にドレスを焼いた等)、当時の陪審員たちは「良家出身の女性に、このような残虐な犯行は不可能」と判断し、無罪判決を下しました。真犯人は未だ不明のまま、米国史上最大のミステリーとして語り継がれています。
2. アリス・ミッチェル事件(メンフィスの狂った愛)
- 発生日: 1892年1月25日
- 場所: テネシー州メンフィス
- 概要: 19歳の女性アリス・ミッチェルが、かつての恋人(同性)であるフリーダ・ウォード(17歳)の喉を剃刀で切り裂いて殺害した事件。 二人は愛し合っており、アリスは男装して「アルヴィン」と名乗り、フリーダと結婚する計画を立てていました。しかし、家族に引き裂かれたことでアリスの精神が暴走。「他の誰にも渡さない」という独占欲から、白昼の通りでフリーダを襲撃しました。 当時の社会に「同性愛」と「精神異常」の議論を巻き起こした、悲劇的かつセンセーショナルな事件です。
3. H.H.ホームズ:エメリン・シグラン殺害(推定)
- 発生時期: 1892年12月
- 場所: イリノイ州シカゴ(マーダー・キャッスル)
- 概要: シカゴの「殺人の城」の主人、H.H.ホームズの秘書を務めていたエメリン・シグランという美しい女性が、クリスマスの直前に忽然と姿を消しました。 ホームズは「彼女は結婚して去った」と説明しましたが、実際には城内の金庫室(気密室)に閉じ込められ、窒息死させられたと見られています。 後に、彼女のものと思われる痕跡や、骨格標本を販売した記録が浮上しました。ホームズの殺人が最も活発化していた時期の犠牲者の一人です。
4. ダルトン・ギャングの壊滅(コフィービルの銃撃戦)
- 発生日: 1892年10月5日
- 場所: カンザス州コフィービル
- 概要: 悪名高い強盗団「ダルトン兄弟」が、**「白昼に二つの銀行を同時に襲う」**という前代未聞の計画を実行し、町民との銃撃戦の末に壊滅した事件。 彼らの無謀な計画は、武装した市民の反撃を招き、ギャング4人と市民4人が死亡する血の海となりました。西部劇のような無法時代の終わりと、近代的な法執行の過渡期を象徴する、暴力的な最期でした。
姉妹探偵の事件考察
登場人物
- 榎本 佳穂(えのもと かほ): 英国UCLで犯罪科学の博士号を取得した天才探偵。IQ240。冷徹なプロファイリングを得意とする。
- 榎本 彩心(えのもと いろは): 佳穂の妹で助手。東大法学部在学中。高い共感能力(エンパス)を持つ。
佳穂: 「……1892年。やはり語るべきは**『リジー・ボーデン』一択ね。 この事件が未解決(コールドケース)になった最大の要因は、当時の陪審員たちが持っていた強固な『ジェンダー・バイアス』**よ。 『コルセットを締め、教会に通う中流階級の女性に、斧を振り下ろす腕力も残虐性もあるはずがない』という先入観。 でも、プロファイリングの観点から見れば、顔面を執拗に破壊するオーバーキル(過剰殺傷)は、被害者に対する積年の『個人的な憎悪』の表れ。侵入者の痕跡がない閉鎖空間(クローズド・サークル)で、憎悪を持っていた人物は彼女しかいないわ」
彩心: 「……童謡になってるよね。『リジー・ボーデン斧取りて、母を40回叩いた』って……。 自分の両親をそんな風に殺すなんて、どれだけの憎しみがあったんだろう。 でもお姉ちゃん、アリス・ミッチェルの事件も切ないよ。 好きな人と結婚したかっただけなのに、剃刀で喉を……なんて。愛がどうしてそこまで歪んじゃうのかな」
佳穂: 「アリスのケースは**『拡大自殺(Extended Suicide)』**に近い心理状態ね。 社会的・物理的に逃げ場を失った彼女にとって、相手を殺して自分も死ぬ(あるいは社会的に抹殺される)ことが、唯一の『成就』だったのよ。 リジーもアリスも、19世紀の抑圧された女性社会が生んだ『モンスター』と言えるかもしれないわね。 ……ちなみに、リジー・ボーデンが無罪になった後、彼女は事件現場の家ではなく、同じ町のもっと良い家に引っ越して、死ぬまでそこで暮らしたわ。 誰も口をきいてくれなくても、遺産で優雅にね。……ある意味、一番肝が座っているのは彼女よ」
彩心: 「うぅ……犯人かもしれないのに、同じ町に住み続けるメンタルが一番怖いよ。 今日は斧を見るのも嫌だから、薪割り当番はお姉ちゃんがやってね」
佳穂: 「……私は探偵よ。肉体労働は助手の仕事でしょう?」
本記事は、過去の報道や公開資料を基に作成しておりますが、一部に筆者の主観的な推測や解釈が含まれます。事実関係の正確性を完全に保証するものではありません。 また、記事内の「姉妹探偵の事件考察」は、自作小説のキャラクターによるフィクションの演出です。あくまで一つの視点・エンターテインメントとしてお読みください。



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