1974年(昭和49年)の夏。 日本では「ピアノ騒音殺人」や「三菱重工爆破事件」が起きていた頃、イギリスもまた、血塗られた季節を迎えていました。
IRA(アイルランド共和軍)による爆弾闘争は、ついにロンドンの歴史的シンボルである観光地を標的にし、地方では奇怪な未解決事件が発生。そして、あの「黒い豹」が再び闇の中から姿を現しました。
今回は、1974年7月~9月に英国を震撼させた主な事件を振り返ります。
1974年7月~9月 英国事件ファイル
1. ロンドン塔・迫撃砲室爆破事件
- 発生日: 7月17日
- 場所: ロンドン(ロンドン塔・ホワイトタワー)
- 概要: 世界遺産であり、多くの観光客で賑わう「ロンドン塔」の地下、迫撃砲室(Mortar Room)で爆弾が爆発しました。 この爆発で、見学に訪れていた女性(ドロシー・ハウスホールドさん)1名が死亡、子供を含む41名が重軽傷を負いました。 歴史的建造物であり、一般観光客がターゲットになったことから、英国民に「安全な場所などない」という強い衝撃を与えました。 【テロ】【残酷】
2. ノーフォーク「首なし死体」遺棄事件(Cockley Cley body)
- 発生日: 8月27日(発見日)
- 場所: ノーフォーク州・コックリークレイ
- 概要: のどかな田舎町の藪の中で、散歩中の犬が腐敗した女性の遺体を発見しました。 遺体は頭部と手首、足首が切断されており、身元を特定するための指紋や歯型を隠蔽する意図が明白でした。遺体はスコットランド製のナイトガウンに包まれ、縛られていました。 長年「身元不明(ジェーン・ドゥ)」として扱われ、英国のコールドケース(未解決事件)として有名です。(※近年、最新のDNA鑑定で再捜査が行われていますが、当時は完全な迷宮入り事件でした) 【未解決】【猟奇】【残酷】
3. 「ブラック・パンサー」第2の殺人(デレク・アスティン事件)
- 発生日: 9月6日
- 場所: ランカシャー州・アクリントン
- 概要: 2月の殺人から半年間の沈黙を破り、連続強盗殺人犯「ブラック・パンサー(ドナルド・ニールソン)」が再び動き出しました。 ターゲットはまたしても「サブ・ポストオフィス(郵便局)」。深夜、自宅寝室に侵入した黒ずくめの男と揉み合いになり、局長のデレク・アスティン氏が射殺されました。 この事件により、警察は「郵便局を狙う同一犯による連続犯行」の可能性を強く疑い始めましたが、その正体にはまだ辿り着けていません。 【連続殺人】
4. 判事連続暗殺事件
- 発生日: 9月16日
- 場所: 北アイルランド(ベルファスト)
- 概要: IRA暫定派により、北アイルランドの司法関係者が同日に相次いで暗殺されました。 ローリー・コナハン判事は自宅で朝食中に射殺され、マーティン・マクバーニー判事は裁判所での法廷中に射殺されました。 法の番人である判事がターゲットにされたことで、司法制度への直接的な挑戦として英国政府を激震させました。 【テロ】【暗殺】
5. M4高速道路コーチ爆破事件
- 発生日: 8月4日
- 場所: M4高速道路(ブリストル近郊)
- 概要: 空軍兵士や家族を乗せた長距離バス(コーチ)の荷物棚に爆弾が仕掛けられ、爆発。死者は出なかったものの、多数の負傷者を出しました。2月のM62号爆破事件に続く高速バスを狙ったテロであり、移動手段そのものが恐怖の対象となりました。
まとめ
この四半期は、「ロンドン塔」という象徴への攻撃と、「首なし死体」という猟奇的な謎が並走した、非常に不穏な時期でした。 特にノーフォークの首なし死体事件は、情報の少なさと手口の残虐さから、当時のミステリー愛好家の間でも大きな話題となりました。
そして、ブラック・パンサーが再び殺人を犯したことで、事件は翌年の「最悪の誘拐事件」へと向かうカウントダウンを始めます。
次回は、1974年第4四半期(10月~12月)。 英国本土を最大の恐怖に陥れた**「ギルフォード・パブ爆破事件」や「バーミンガム・パブ爆破事件」**など、テロリズムがピークに達する冬をご紹介します。
(姉妹探偵のメモ)
【姉の分析メモ】 「ロンドン塔を爆破するなんて……IRAの戦術が『注目を集めること』に特化し始めているわね。でも、私が気になるのはノーフォークの首なし死体よ。手足まで切断して身元を隠すなんて、犯人は被害者とよほど近い関係にあったか、あるいはプロの始末屋か。頭部が見つかっていないのが最大のミステリーね」
【妹の感想】 「夏休みにロンドン塔に行ったら爆発……なんて想像しただけで怖いよ。それに、ブラック・パンサーもまた出てきたんでしょ? 日本も騒音殺人とかで大変だったけど、イギリスも全然平和じゃないね」
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