【英国犯罪史】1975年10月〜12月:「切り裂き魔」の覚醒と、ギネスブック著者の暗殺

英国殺人事件簿

こんにちは、しらちごです。 今回は、1975年の第4四半期(10月〜12月)にイギリスで発生した、歴史的な凶悪事件を振り返ります。

この年の冬、英国は二つの「戦争」に直面していました。一つはIRAによる首都ロンドンへの爆弾攻勢、もう一つは北部の闇で産声を上げた、娼婦を狙う見えない怪物との戦いです。 恐怖と暴力が日常を侵食していた、1975年の終わりの記録です。

1975年10月〜12月 イギリス凶悪殺人事件ファイル

1. ウィルマ・マッキャン殺害事件(ヨークシャー・リッパー事件・第1の殺人)

  • 発生日: 1975年10月30日
  • 場所: リーズ、チャペルタウン
  • 概要: 4人の子供を持つ母親ウィルマ・マッキャン(28歳)が、飲み歩いた帰りに殺害された事件。 これが、後に英国全土を震え上がらせる「ヨークシャー・リッパー(ピーター・サトクリフ)」による最初の殺人と認定されています。 彼女はハンマーで頭部を殴打され、さらに首や胸など15箇所を刺されていました。サトクリフはこの犯行で「人を殺す感覚」を完全に学習し、ここから5年間にわたる殺戮の旅が始まりました。

2. スコッツ・オイスター・バー爆破事件

  • 発生日: 1975年11月12日
  • 場所: ロンドン、メイフェア
  • 概要: ロンドンの高級レストラン「スコッツ・オイスター・バー」に、IRA暫定派のメンバーが爆弾を投げ込んだテロ事件。 店内にいたジョン・ベイティ(48歳)が死亡し、15人が負傷しました。この店は数週間前にも銃撃を受けており、富裕層や支配階級が集まる場所として標的にされました。実行犯は悪名高い「バルコム・ストリート・ギャング」でした。

3. ロス・マクワーター暗殺事件

  • 発生日: 1975年11月27日
  • 場所: ノースロンドン、エンフィールド
  • 概要: 世界的に有名な『ギネス世界記録』の共同創設者であり、テレビ司会者としても知られたロス・マクワーターが、自宅の玄関先で射殺された衝撃的な事件。 彼はIRAによるテロに憤り、「テロリストの情報提供者に5万ポンドの懸賞金を出す」と公言していました。これを脅威とみなしたIRA(バルコム・ストリート・ギャング)が、彼を「処刑」するために待ち伏せし、至近距離から銃撃しました。著名人が明確なターゲットとして暗殺されたことで、社会に激震が走りました。

4. バルコム・ストリート包囲戦

  • 発生日: 1975年12月6日〜12月12日
  • 場所: ロンドン、メリルボーン
  • 概要: ロス・マクワーター暗殺やスコッツ・バー襲撃を行ったIRAの実行部隊4人が、警察との追跡劇の末、バルコム・ストリートのアパートに逃げ込み、中年夫婦を人質にとって6日間立てこもった事件。 激しい心理戦の末、人質は無事に解放され、犯人グループは投降しました。ロンドン警視庁にとって、テロリストを一網打尽にした大きな勝利でしたが、彼らがそれまでに流した血の量は計り知れませんでした。

5. 「ブラック・パンサー」ドナルド・ニールソン逮捕

  • 逮捕日: 1975年12月11日
  • 場所: ノッティンガムシャー、マンスフィールド
  • 概要: 1月のレスリー・ウィットル誘拐殺人事件などで指名手配されていたドナルド・ニールソンがついに逮捕されました。 逮捕のきっかけは、パトロール中の警官2名による職務質問という偶然でした。ニールソンはショットガンで警官を脅し、パトカーを乗っ取りましたが、地元のフィッシュ・アンド・チップス店の行列に並んでいた市民らが加勢し、取り押さえられました。 英国犯罪史上最も冷酷な誘拐犯の逃亡劇は、市民の勇気によって幕を閉じました。

姉妹探偵の事件考察

登場人物

  • 榎本 佳穂(えのもと かほ): 英国UCLで犯罪科学の博士号を取得した天才探偵。IQ240。冷徹なプロファイリングを得意とする。
  • 榎本 彩心(えのもと いろは): 佳穂の妹で助手。東大法学部在学中。高い共感能力(エンパス)を持つ。

佳穂: 「……1975年の冬。英国の犯罪史における『主役交代』の季節ね。 冷徹な軍隊式規律を持っていた『ブラック・パンサー』が舞台から去り、代わりに衝動と妄想に支配された『ヨークシャー・リッパー』が登壇した。 特にウィルマ・マッキャン殺害における『オーバーキル(過剰殺傷)』。ハンマーで制圧した後に何度も刺すという行為は、サトクリフの中にあった女性への病的な憎悪と、性的サディズムが完全に結びついたことを示しているわ(シグネチャーの確立)」

彩心: 「ブラック・パンサーが捕まったのは良かったけど……入れ替わりでもっと怖い人が出てきちゃったんだね。 それに、ギネスブックの人まで殺されるなんて。賞金を懸けただけで殺されちゃうの? 自分の家の玄関で撃たれるなんて、想像しただけで怖いよ」

佳穂: 「マクワーター氏は、テロリストにとって『正義の象徴』であり、最も排除すべき『リスク』だったのよ。 これを『戦略的暗殺』と言うわ。見せしめにすることで、他の市民が協力するのを防ぐ狙いがあった。 でも皮肉ね。彼を殺したバルコム・ストリート・ギャングは、その直後に包囲されて逮捕された。暴力による支配は、結局は暴力によって破綻するという典型的な末路(エンドゲーム)よ」

彩心: 「……どんなに怖がらせても、フィッシュ・アンド・チップスのお店に並んでた人たちがブラック・パンサーを取り押さえたみたいに、普通の人の勇気には勝てないってことかな。 1975年は本当に大変な年だったんだね。 お姉ちゃん、来年は少しは平和なニュースがあるといいな……」

佳穂: 「……そうね。でも歴史は繰り返す。 私たちはただ、その闇を直視し、記憶し続けるだけよ。 さあ、温かいシェパーズパイでも食べましょう。英国の冬には、これくらいのカロリーが必要だわ」


本記事は、過去の報道や公開資料を基に作成しておりますが、一部に筆者の主観的な推測や解釈が含まれます。事実関係の正確性を完全に保証するものではありません。 また、記事内の「姉妹探偵の事件考察」は、自作小説のキャラクターによるフィクションの演出です。あくまで一つの視点・エンターテインメントとしてお読みください。

Peter Sutcliffe: The Yorkshire Ripper Files (2019) | Official Trailer | HBO この動画は、1975年10月に最初の殺人を犯したピーター・サトクリフ(ヨークシャー・リッパー)のドキュメンタリー予告編で、当時の捜査状況や社会の恐怖を視覚的に理解するのに役立ちます。

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