こんにちは、しらちごです。 今回は、英国犯罪史における最大のミステリーの一つ、イヴ・ストラットフォード殺害事件とリン・ウィードン殺害事件を取り上げます。
1975年にロンドンの東と西で起きた二つの凶悪事件。 被害者の年齢も、殺害方法も、場所も全く異なるこの二つの事件は、長らく「別々の犯人」によるものと考えられていました。 しかし、2000年代に入り、科学捜査の進歩が衝撃の真実を明らかにしました。
二人の女性を襲ったのは、同一の男だったのです。
事件ファイルA:イヴ・ストラットフォード殺害事件(「バニーガール」殺人)
- 発生日時: 1975年3月18日 夕方
- 場所: 東ロンドン、レイトン(Lyndhurst Drive)
- 被害者: イヴ・ストラットフォード(22歳)
- 職業: 高級クラブ「プレイボーイ・クラブ」のバニーガール、モデル(成人誌『Mayfair』の表紙も飾っていた)
- 事件の概要: 雪が降る寒い日の午後、イヴは仕事を終えて帰宅しました。午後4時半頃、階下の住人が彼女の部屋から男性と女性が**「穏やかに会話する声」**を聞いています。しかしその直後、重いものが倒れるような「ドン」という音が響きました。 午後5時25分、帰宅した恋人が発見したのは、寝室で喉を切り裂かれて絶命しているイヴの姿でした。
- 犯行の特異点:
- 顔見知りの可能性: 部屋に荒らされた形跡や侵入の痕跡はなく、会話の声が聞こえていたことから、彼女は犯人を招き入れた、あるいは顔見知りだった可能性が高いとされています。
- 残虐な手口: 彼女は両手をスカーフで縛られ、片足首にはナイロンストッキングが結ばれていました。喉は鋭利な刃物で8回から12回切り裂かれており、強い殺意とサディズムが窺えます。凶器のナイフは見つかっていません。
事件ファイルB:リン・ウィードン殺害事件(「路地裏」の襲撃)
- 発生日時: 1975年9月3日 午後11時頃(死亡は9月10日)
- 場所: 西ロンドン、ハウンズロー(Great Western Road近くの路地)
- 被害者: リン・ウィードン(16歳)
- 職業: 学生
- 事件の概要: イヴの事件から半年後。ロンドンの反対側で悲劇は起きました。 友人との外出から帰宅途中だったリンは、自宅近くの薄暗い路地「ショート・ヘッジズ」を歩いている際、背後から襲われました。 翌朝、近所の学校の用務員が、変電所の敷地内で瀕死の状態の彼女を発見しました。
- 犯行の特異点:
- 無差別的な暴力: 彼女は重い鈍器(未発見)で頭部を殴打され、頭蓋骨を骨折していました。その後、フェンス越しに変電所の敷地内へ投げ込まれ、性的暴行を受けていました。
- 面識なし: イヴのケースとは異なり、こちらは待ち伏せ型の**「ブリッツ(電撃)攻撃」**であり、犯人と被害者に面識はなかったと見られています。
30年後の真実:DNAリンク
長年、捜査当局はこの二つの事件を関連付けていませんでした。 東ロンドンの「室内での刃物による殺害」と、西ロンドンの「屋外での鈍器による撲殺」。手口(M.O.)があまりにも異なっていたからです。
しかし2004年、コールドケース(未解決事件)捜査班が保管されていた証拠品を最新のDNA技術で再鑑定した結果、驚くべき事実が判明しました。 イヴの衣類に残されていた微細な痕跡と、リンの事件で採取されたサンプルから検出されたDNAが、完全に一致したのです。
犯人は、半年間の「冷却期間」を置き、手口を変え、獲物を変えて、ロンドンの街で狩りを行っていたシリアルキラーでした。現在も犯人は特定されておらず、懸賞金がかけられ続けています。
姉妹探偵の事件考察
登場人物
- 榎本 佳穂(えのもと かほ): 英国UCLで犯罪科学の博士号を取得した天才探偵。IQ240。冷徹なプロファイリングを得意とする。
- 榎本 彩心(えのもと いろは): 佳穂の妹で助手。東大法学部在学中。高い共感能力(エンパス)を持つ。
佳穂: 「……非常に興味深いわ。通常、連続殺人犯(シリアルキラー)は自分の成功体験に基づいた『型(パターン)』に固執するものよ。 でもこの犯人は、イヴの事件では**『秩序型(Organized)』の行動を見せている。被害者と会話をし、室内でコントロール下に置いてから殺害しているわ。 一方で、半年前のリンの事件では完全に『無秩序型(Disorganized)』**あるいは『機会探索型』ね。暗闇で待ち伏せし、鈍器で殴るという原始的な手口。 同一犯の犯行とは思えないほどの『ブレ』があるわ」
彩心: 「えっ、それってどういうこと? 同一人物なのに、性格が変わっちゃったの? 半年間、犯人は何をしていたんだろう……。 イヴさんはモデルさんで、リンちゃんはまだ16歳の学生さん。二人とも、これからの人生があったのに……」
佳穂: 「性格が変わったのではなく、彼の**『ファンタジー(幻想)』**がより凶暴化した、あるいは状況に合わせて手口を変えられる『適応力』を持っていたと見るべきね。 イヴの時は、おそらく彼女の『バニーガール』という記号性に惹かれた性的サディズムが動機。だから拘束し、喉を狙った。 でもリンの時は、より純粋な『暴力衝動』が爆発している。衝動を抑えきれず、手近な獲物を襲った可能性が高いわ。 ……DNAがなければ、永遠にリンクしなかった事件(ケース)よ。科学が『悪魔の尻尾』を掴んだ好例ね」
彩心: 「悪魔の尻尾……でも、本体はまだ捕まってないんだよね。 1975年のロンドンで、二人の女性の命を奪った人が、今もどこかで普通のおじいさんとして暮らしているかもしれないなんて。 お姉ちゃん、DNAがあるなら、いつか捕まるかな? 亡くなった二人のためにも、絶対に解決してほしいよ」
佳穂: 「ええ。DNAは嘘をつかない。犯人がどこかで些細な罪を犯すか、あるいは家系図DNA(ジェネティック・ジェネアロジー)の網にかかれば、必ず扉は開くわ。 時効のない正義が、彼を追い詰めることを祈りましょう」
本記事は、過去の報道や公開資料を基に作成しておりますが、一部に筆者の主観的な推測や解釈が含まれます。事実関係の正確性を完全に保証するものではありません。 また、記事内の「姉妹探偵の事件考察」は、自作小説のキャラクターによるフィクションの演出です。あくまで一つの視点・エンターテインメントとしてお読みください。
Their Murders Were Nearly Identical: The Killer Might Still Be Out There この動画は、イヴ・ストラットフォード事件とリン・ウィードン事件の詳細な経緯と、二つの事件がDNA鑑定によってどのように結びついたかを解説しており、記事の内容をより深く理解するのに役立ちます。



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