こんにちは、しらちごです。 今回は、1975年の第2四半期(4月〜6月)にイギリスで発生した、社会を震撼させた凶悪事件を振り返ります。
この時期の英国は、北アイルランドでの宗派間抗争が泥沼化し、一般市民が犠牲になる無差別テロが相次ぎました。一方、イングランドの学園都市ケンブリッジでは、あるシリアル・プレデター(連続捕食者)による恐怖がピークに達し、そして終わりを迎えようとしていました。
1975年4月〜6月 イギリス凶悪殺人事件ファイル
1. マウンテンビュー・タバーン爆破銃撃事件
- 発生日: 1975年4月5日
- 場所: 北アイルランド、ベルファスト(シャンキル・ロード)
- 概要: 土曜日の夕方、プロテスタント地区のパブ「マウンテンビュー・タバーン」にIRA(アイルランド共和軍)の武装グループが押し入った事件。 犯人グループは店内で銃を乱射した後、入り口付近に爆弾を仕掛けて逃走しました。爆発により屋根が崩落し、5人の市民(4人のプロテスタント民間人と1人のUDAメンバー)が死亡、60人以上が負傷しました。 「グランドナショナル(競馬)」の中継を楽しみに集まっていた市民を狙った、極めて卑劣な無差別テロでした。
2. ブレアリー・ダーツクラブ銃乱射事件
- 発生日: 1975年4月27日
- 場所: 北アイルランド、ダウン州
- 概要: カトリック教徒が多く集まるダーツクラブに、武装した覆面の男たち(UVF:アルスター義勇軍のメンバー)が乱入し、サブマシンガンやショットガンを乱射した事件。 3人の民間人が死亡しました。犯行グループは、照明を消して暗闇の中でさらに発砲を続けるなど、執拗かつ冷酷な手口で知られています。この時期、こうした「報復」と称した一般市民への虐殺が頻発していました。
3. サンドラ・ジューン・シンプソン殺害事件
- 発生日: 1975年5月(遺体発見)
- 場所: イングランド、スカボロー
- 概要: 9歳の少女サンドラ・ジューン・シンプソンが行方不明となり、数日後に遺体となって発見された事件。 5月末、近隣に住む16歳の少年が殺害容疑で逮捕されました。地域のコミュニティに衝撃を与えた、痛ましい少年犯罪の一つです。
4. ジャクリーン・モンゴメリー殺害事件
- 発生日: 1975年6月1日
- 場所: 北ロンドン、イズリントン
- 概要: 15歳の少女ジャクリーンが、自宅で性的暴行を受け、刺殺・絞殺された猟奇的な事件。 犯人は彼女の叔母の元パートナーであるデニス・マクグローリーでした。彼は「激しい怒り」に駆られて犯行に及んだとされていますが、当時の捜査では証拠不十分で無罪となり、DNA鑑定の技術が進歩した数十年後にようやく有罪判決が下された「コールドケース(未解決事件)」の一つでした。
5. 「ケンブリッジのレイプ魔」ピーター・クック逮捕
- 逮捕日: 1975年6月(犯行期間:1974年10月〜1975年6月)
- 場所: ケンブリッジ
- 概要: 数ヶ月にわたり、ケンブリッジの大学街を恐怖のどん底に陥れていた連続レイプ魔、ピーター・クックがついに逮捕されたのがこの時期です。 彼は「The Hooded Rapist(フードのレイプ魔)」とも呼ばれ、手製の不気味な革製マスク(あごの部分にジッパーが付いていた)を被って犯行に及ぶという猟奇的なスタイルで知られていました。 かつて「ベッドの下に潜んでいる」と噂された彼は、ウィッグやナイフで武装し、学生寮などを襲撃していましたが、6月の最後の犯行直後に警察の捜査網にかかり逮捕されました。
姉妹探偵の事件考察
登場人物
- 榎本 佳穂(えのもと かほ): 英国UCLで犯罪科学の博士号を取得した天才探偵。IQ240。冷徹なプロファイリングを得意とする。
- 榎本 彩心(えのもと いろは): 佳穂の妹で助手。東大法学部在学中。高い共感能力(エンパス)を持つ。
佳穂: 「……1975年の初夏。英国にとっては、血と火薬の臭いが染み付いた季節ね。 特に『ケンブリッジのレイプ魔』ピーター・クックのケースは、犯罪心理学的に非常に興味深いわ。彼が着用していた『革製のマスク』……そこに書かれていた『RAPIST(レイプ魔)』という文字。これは単なる変装じゃない。 自分を『怪物』として演出することで被害者を恐怖で支配し、同時に自分自身の良心をマスクの下に隠蔽するという、典型的な『脱抑制(Disinhibition)』の儀式よ」
彩心: 「マスクに文字なんて……。まるでホラー映画の悪役みたい。そんな人が大学の近くをうろついてたなんて、当時の学生さんはどれだけ怖かっただろう。 でも、逮捕されて本当によかった。6月に捕まったんだね」
佳穂: 「ええ。彼の犯行はエスカレートしていたから、捕まらなければ殺人(マーダー)に移行していた可能性が高いわ。 一方で、北アイルランドのテロリズムは『憎悪の連鎖』そのものね。 マウンテンビュー・タバーンの事件も、ブレアリーの事件も、狙われたのは『敵対する宗派』というだけの一般市民。これは戦争というより、相互の『ジェノサイド的思考』に基づいた処刑に近い。 加害者たちは『大義』を盾にしているけれど、その本質は集団心理による暴力衝動の発散に過ぎないのよ」
彩心: 「……パブで競馬を見ていただけの人や、ダーツを楽しんでいた人たちが殺されるなんて、理不尽すぎるよ。 この時代のニュースを見てると、どこにいても安心できないような、すごく殺伐とした空気を感じるね……。 9歳の女の子や15歳の女の子が犠牲になった事件もあって……胸が苦しくなる」
佳穂: 「……そうね。だからこそ、私たちは『記録』し続けなければならない。 感情論で語られがちな悲劇を、事実(ファクト)として解剖し、その構造を理解すること。それが、過去の亡霊たちに対する、私たちなりの鎮魂(レクイエム)よ。 彩心、ミルクティーを淹れて。……少し、苦めのやつを」
本記事は、過去の報道や公開資料を基に作成しておりますが、一部に筆者の主観的な推測や解釈が含まれます。事実関係の正確性を完全に保証するものではありません。 また、記事内の「姉妹探偵の事件考察」は、自作小説のキャラクターによるフィクションの演出です。あくまで一つの視点・エンターテインメントとしてお読みください。
Northern Ireland Troubles – Mountainview Tavern Attack 1975 この動画は、記事で紹介した1975年4月のマウンテンビュー・タバーン襲撃事件を含む、北アイルランド紛争当時のニュース映像や現場の様子を伝えており、当時の緊迫した状況を理解するのに役立ちます。



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