【英国犯罪史】1975年1月〜3月:闇に潜む「黒い豹」と切り裂かれたバニーガール

英国殺人事件簿

こんにちは、しらちごです。 今回は、1975年の第一四半期(1月〜3月)にイギリスで発生した、特筆すべき凶悪事件を振り返ります。

この時代のイギリスは、経済的な停滞とIRAによるテロリズムの脅威、そして凶悪犯罪の増加により、社会全体が重苦しい空気に包まれていました。特にこの3ヶ月間は、英国犯罪史上最も悪名高い誘拐殺人事件の一つがクライマックスを迎えた時期でもあります。

1975年1月〜3月 イギリス凶悪殺人事件ファイル

1. レスリー・ウィットル誘拐殺人事件(ブラック・パンサー事件)

  • 発生日: 1975年1月14日(誘拐)〜 1975年3月7日(遺体発見)
  • 場所: シュロップシャー州 / スタッフォードシャー州
  • 概要: 17歳の少女レスリー・ウィットルが、自宅の寝室から誘拐された事件。犯人は「ブラック・パンサー」と呼ばれていた連続強盗殺人犯、ドナルド・ニールソン。 ニールソンはレスリーを地下の排水システム(バスプール・パーク)の狭く冷たい立坑に監禁し、首にワイヤーを巻き付けて拘束していました。 3月7日、捜索隊が彼女の遺体を発見。彼女は首にワイヤーが巻かれたまま、梯子から転落(あるいは落とされた)ことによる首吊り状態で死亡していました。ニールソンの軍隊的な規律と冷酷さが際立つ、英国全土を恐怖に陥れた事件です。

2. PCスティーブン・ティブル射殺事件

  • 発生日: 1975年2月26日
  • 場所: ロンドン、バロンズ・コート
  • 概要: 私服警官のスティーブン・ティブル(21歳)が、不審な男を追跡中に至近距離から胸を撃たれて殺害された事件。 犯人はIRAの暫定派ボランティア、リアム・クイン。この事件は、当時のロンドン市民の生活の中に、テロリズムという暴力が日常的に潜んでいたことを浮き彫りにしました。若き警官の死は、社会に大きな衝撃を与えました。

3. イヴ・ストラットフォード殺害事件(「バニーガール」殺人事件)

  • 発生日: 1975年3月18日
  • 場所: 東ロンドン、レイトン
  • 概要: 高級クラブ「プレイボーイ・クラブ」のバニーガールとして働いていたイヴ・ストラットフォード(22歳)が、自宅アパートで惨殺された事件。 彼女は手足を縛られ、首を鋭利な刃物で8回から12回切りつけられていました。性的暴行の痕跡もありました。 この事件は未解決ですが、半年後の9月に起きたリンダ・ファロー殺害事件と手口が酷似しており(同一犯のDNAが検出されている)、連続殺人犯による犯行と断定されています。犯人は非常にサディスティックで、切り裂きジャックを彷彿とさせる残虐性を持っていました。

4. ジャネット・マーガトロイド殺害事件

  • 発生日: 1975年1月11日(遺体発見)
  • 場所: ランカシャー州、プレストン(リブル川)
  • 概要: プレストン大学の学生、ジャネット・マーガトロイド(20歳)が、パブから帰宅途中に行方不明となり、翌日リブル川の河川敷で遺体となって発見された事件。 彼女は激しく殴打され、蹴られた痕跡があり、衣服が乱れた状態で放置されていました。長年未解決でしたが、近年のDNA技術の進歩により捜査が進展しました。突発的な暴力と性的な動機が絡み合った、痛ましい事件です。

5. ロンドン地下鉄ムーアゲート事故(※事件性議論あり)

  • 発生日: 1975年2月28日
  • 場所: ロンドン地下鉄ムーアゲート駅
  • 概要: 地下鉄が停車せずトンネルの壁に激突し、43名が死亡した大惨事。 公式には「事故」とされていますが、運転手のレスリー・ニューソンに自殺の動機があったのか、あるいは何らかの意図的な操作があったのか、長年議論されています。検死の結果、アルコールや薬物は検出されず、ブレーキをかけた形跡もなかったことから、「不可解な大量死」としてミステリーの側面を持っています。

姉妹探偵の事件考察

登場人物

  • 榎本 佳穂(えのもと かほ): 英国UCLで犯罪科学の博士号を取得した天才探偵。IQ240。冷徹なプロファイリングを得意とする。
  • 榎本 彩心(えのもと いろは): 佳穂の妹で助手。東大法学部在学中。高い共感能力(エンパス)を持つ。

佳穂: 「……1975年の英国。まさに『冬の時代』ね。特にドナルド・ニールソン、通称『ブラック・パンサー』の犯行は、犯罪心理学的にも極めて特異なケースだわ」

彩心: 「ブラック・パンサー……。レスリーさんを、地下の配管みたいな場所に閉じ込めていた事件だよね? 想像するだけで息が詰まりそう……。どうしてそんな酷い場所を選んだの?」

佳穂: 「彼の行動原理(M.O.)の根幹にあるのは、極端な**『統制欲求(Need for Control)』『軍隊的な規律への執着』**よ。 彼は元軍人で、社会生活に馴染めず、強盗を『軍事作戦』のように計画・実行していた。被害者を地下の立坑に監禁し、首にワイヤーを巻いて管理したのは、彼女を人間としてではなく、作戦上の『確保すべき物資(アセット)』として扱っていたからよ」

彩心: 「物資……。人間扱いしていなかったってこと?」

佳穂: 「ええ。これを**『非人間化(Dehumanization)』**と言うわ。 彼はレスリーさんの首にワイヤーを巻き、足場がほとんどない梯子の上に立たせた。少しでも動けば死ぬという極限状態。……これはサディズムというより、彼自身の『完璧な計画』を遂行するための、冷酷で実用的な拘束手段だったのよ。 でも皮肉ね。彼のその過剰なまでの完璧主義(オブセッション)が、結果として計画の破綻と、被害者の死を招いた。……許しがたい『機能不全』だわ」

彩心: 「……私には、その冷たい地下で震えていた彼女の恐怖と、孤独が伝わってくるみたいで辛いよ。 それと、3月のイヴ・ストラットフォードさんの事件……『バニーガール殺人事件』っていうのも、すごく残酷だね」

佳穂: 「そちらは典型的な**『ピクウェリズム(Piqueron)』**、あるいは性的サディズムの兆候が見られるわね。 喉を切り裂くという手口は、被害者の『声』を奪い、生命の根源を断つという強い支配欲の表れ。未解決のままだれど、犯人はその後も『冷却期間』を置いて狩りを続けていた可能性が高いわ。……切り裂きジャックの亡霊が、70年代に蘇ったようね」

彩心: 「亡霊……。時代が変わっても、人の悪意の形は変わらないのかな。……お姉ちゃん、紅茶淹れ直すね。少し、温かいものが飲みたい気分」

佳穂: 「……そうね。アッサムがいいわ。濃いめのミルクティーで。この時代の澱(おり)を流し込むには、それくらいが最適解(ソリューション)よ」


本記事は、過去の報道や公開資料を基に作成しておりますが、一部に筆者の主観的な推測や解釈が含まれます。事実関係の正確性を完全に保証するものではありません。 また、記事内の「姉妹探偵の事件考察」は、自作小説のキャラクターによるフィクションの演出です。あくまで一つの視点・エンターテインメントとしてお読みください。

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