こんにちは、しらちごです。 今回は、19世紀末のアメリカ(1890年)で発生した、歴史に残る凶悪事件と、ある「処刑」にまつわる猟奇的な出来事を特集します。
1890年。フロンティアの消滅が宣言され、アメリカは西部開拓時代から近代産業国家へと移り変わろうとしていました。しかし、その影では、古い暴力と新しい技術が交錯する、恐ろしい事件が起きていたのです。
1890年 米国凶悪殺人事件ファイル
1. ニューオーリンズ市警本部長暗殺事件(デビッド・ヘネシー殺害事件)
- 発生日: 1890年10月15日
- 場所: ルイジアナ州ニューオーリンズ
- 概要: ニューオーリンズ市警察の本部長デビッド・ヘネシーが、帰宅途中に数人の男たちに待ち伏せされ、ショットガンで銃撃された暗殺事件。 ヘネシーは今わの際に**「ダゴ(イタリア人への蔑称)にやられた」**と言い残したとされ、これがアメリカにおける「マフィア(組織犯罪)」の存在を世間に知らしめる最初の大きな事件となりました。 この事件は、後の裁判で被告人が無罪となったことに激怒した市民による、**アメリカ史上最大規模のリンチ事件(イタリア系移民11名の虐殺)**へと繋がる、血塗られた悲劇の引き金となりました。
2. ウィリアム・ケムラーの「失敗した」処刑
- 発生日: 1890年8月6日
- 場所: ニューヨーク州オーバーン刑務所
- 概要: 内縁の妻ティリー・ジーグラーを斧で惨殺した殺人犯ウィリアム・ケムラーに対し、人類史上初めて**「電気椅子」による死刑が執行された日です。 「人道的な処刑」として導入されましたが、結果は凄惨なものでした。最初の通電(17秒間)では死に至らず、ケムラーはうめき声を上げて痙攣しました。再度の通電が行われましたが、電極付近の肉が焦げ、部屋中に肉の焼ける臭いが充満したといいます。 立ち会った記者は「絞首刑の方がはるかに人道的だ」と書き立て、ウェスティングハウス(電気会社の創業者)は「斧を使った方がマシだったろう」**とコメントしました。ある意味で、殺人事件そのもの以上に猟奇的な「国家による殺人」でした。
3. レイク郡ホワイトキャップ殺人事件
- 発生日: 1890年
- 場所: カリフォルニア州レイク郡
- 概要: 「ホワイトキャップス(Whitecaps)」と呼ばれる自警団組織による殺人事件。 彼らは道徳的秩序を守るという名目で、気に入らない人物を襲撃・リンチしていましたが、1890年に一線を越え、殺人を犯しました。この事件で4名のメンバーがサン・クエンティン刑務所に送られました。 正義を自称する集団が、集団心理によって凶悪な殺人鬼へと変貌した典型例です。
4. シッティング・ブル殺害事件
- 発生日: 1890年12月15日
- 場所: スタンディングロック居留地(サウスダコタ州)
- 概要: 伝説的なラコタ族の指導者シッティング・ブルが、インディアン警察によって逮捕される際、銃撃戦となり殺害された事件。 これは単なる逮捕劇ではなく、先住民族の精神的支柱を折るための事実上の暗殺とも言われています。この2週間後、悪名高い**「ウンデッド・ニーの虐殺」**が発生し、数百名のラコタ族が米軍によって殺害されました。時代の転換期における、国家規模の暴力事件です。
5. H.H.ホームズの「殺人ホテル」建設(潜伏期)
- 活動期間: c. 1890-1895
- 場所: イリノイ州シカゴ
- 概要: アメリカ史上初のシリアルキラーとされるH.H.ホームズが、シカゴに後に「マーダー・キャッスル(殺人の城)」と呼ばれる建物の建設を進めていた時期です。 1890年時点では、彼は保険金詐欺や死体の解剖学的販売の準備を進めており、具体的な犠牲者(ジュリア・コナーなど)が出る直前、あるいはすでに手にかけていた可能性があります。華やかな万国博覧会の裏で、稀代の快楽殺人が静かに進行していました。
姉妹探偵の事件考察
登場人物
- 榎本 佳穂(えのもと かほ): 英国UCLで犯罪科学の博士号を取得した天才探偵。IQ240。冷徹なプロファイリングを得意とする。
- 榎本 彩心(えのもと いろは): 佳穂の妹で助手。東大法学部在学中。高い共感能力(エンパス)を持つ。
佳穂: 「……1890年のアメリカ。興味深いわね。特にヘネシー本部長の暗殺は、単なる殺人ではなく**『組織犯罪(オーガナイズド・クライム)』**がアメリカ社会に根を張ったことを証明する象徴的な事件(ケース)よ」
彩心: 「警察のトップが暗殺されるなんて……。映画みたいだけど、その後のリンチ事件の話を聞くと、胸が苦しくなるよ。犯人と疑われた人たちが、裁判もなしに市民に殺されちゃうなんて」
佳穂: 「集団心理の暴走ね。ヘネシーが残した『ダゴ(イタリア人)』という言葉が、市民の差別意識(バイアス)に火をつけた。 真犯人がマフィアだったとしても、法のプロセスを無視した制裁は、正義ではなくただの『野蛮な復讐』よ。……ホワイトキャップ事件も同じ構造ね。正義を騙る暴力ほど質(タチ)が悪いものはないわ」
彩心: 「うん……。それに、ケムラーの電気椅子の話も怖すぎる。肉が焼ける匂いがしたなんて……。どうしてそんな残酷な方法を選んだのかな」
佳穂: 「皮肉なことに、当初は『絞首刑よりも科学的で人道的だ』と信じられていたのよ。 エジソンとウェスティングハウスという二人の天才による『電流戦争』のプロパガンダに利用された側面もあるわね。新しい技術(テクノロジー)が、必ずしも人を幸福にするとは限らないという、最悪のサンプルケースだわ」
彩心: 「技術の進歩が、新しい恐怖を生むこともあるんだね……。 あと、H.H.ホームズって、あの『殺人ホテル』の人でしょ? この頃から動いてたの?」
佳穂: 「ええ。彼はシカゴで着々と『城』を築いていた。 落とし戸、ガス室、焼却炉……。彼の異常性は、衝動的な殺人ではなく、殺人を『効率的なビジネス』としてシステム化した点にあるわ。1890年は、その悪夢のインフラが整いつつあった年……。 彩心、気をつけて。歴史の影には、いつだって『見えない怪物』が潜んでいるものよ」
彩心: 「……お姉ちゃん、やめてよ。夜、眠れなくなっちゃう」
本記事は、過去の報道や公開資料を基に作成しておりますが、一部に筆者の主観的な推測や解釈が含まれます。事実関係の正確性を完全に保証するものではありません。 また、記事内の「姉妹探偵の事件考察」は、自作小説のキャラクターによるフィクションの演出です。あくまで一つの視点・エンターテインメントとしてお読みください。



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